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2003.03.10
<論点=万引き・アリバイ工作・自殺>
〈万引きについて〉

判決文33頁~35頁
2 争点⑵(真実性)について
 証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。
ア 本件窃盗被疑事件の発生
(ア)平成7年6月19日午後3時20分ころ、戸塚から東村山署東村山駅前交番に対し、明代による万引きの被害にあったとの届出があった(本件窃盗被疑事件)。
 被害届受理の報告を受けた東村山署は、捜査官を現場に臨場させ、戸塚からの事情聴取、被害場所の実況見分等を実施し、概ね以下の通りの事実を把握するに至った。
(イ)平成7年6月19日午後3時15分ころ、戸塚は、洋品店内において店番をしていたところ、一人の女性が、同店の店頭に立ち寄った。その際、戸塚は、本件女性について、当時現職の東村山市議会議員で選挙ポスターを見ることにより人相をよく知っていた明代であると認識した。
 戸塚が、同店の店頭に設置されている防犯ミラーで注視していたところ、本件女性が、店頭に吊るしてあった黒いTシャツのビニールカバーをたくし上げて、Tシャツをハンガーから外すと、これを小さく折り畳んで、脇の下に隠して歩き去るのが分かった。戸塚は、直ちに店を飛び出して、本件女性を追跡し、本件女性を呼び止めて万引きの事実について追及したところ、本件女性は盗んでいないと犯行を否認した。そこで、戸塚は、脇の下に隠された商品を確認するため、本件女性に両手を上げさせたところ、本件女性の脇の下から、商品である黒いTシャツが落ちた。戸塚が追及したところ、本件女性は、知らないと言って、イトーヨーカ堂の店内へ逃げ込んだ。
 戸塚は、本件女性にイトーヨーカ堂に逃げ込まれてしまったことと、本件洋品店に客だけ残してきたことが心配になったことから、追跡を断念して洋品店に戻った。戸塚と本件女性とのやりとりを目撃していた客と通りすがりの者が、戸塚に対し、被害届を出すように促すとともに、本件女性が明代であることの証人になることを約束したので、前記のとおり明代による万引きの被害にあったと届け出た。
(ウ)東村山署は、戸塚の供述から、明代が本件窃盗被疑事件を犯したと疑うに足りる相当な理由があると認めたが、さらに、事件の目撃者について捜査したところ、当日、客として本件洋品店に居合わせて本件窃盗の犯行状況を目撃した者、通りすがりに戸塚と明代のやりとりを目撃した者など3名の目撃者がいたことが判明し、そのうちの2名からも事情を聴取したところ、戸塚の供述が裏付けられた。
 そこで、東村山署は、明代に出頭を求めることとし、平成7年6月30日、同年7月4日及び12日の3回、明代を本件窃盗被疑事件の被疑者として取り調べた。
(エ)明代は、6月30日の取調べにおいて、犯行を否認するのみであったが、7月4日の取調べにおいて、犯行を否認するとともに、犯行があったとされる時間には、原告矢野とともに本件レストランで食事をしていたとのアリバイを申し立て、その裏付けとして本件レシートを任意提出した。
 明代は、同月12日の取調べにおいて、被害日時とされる午後3時過ぎには本件洋品店に行っていないと申し立て、本件支店のキャッシュサービス取引明細、本件レストランの店内見取図、本件レシート写しに日付等を記載した上、署名捺印して提出した。そして、明代は、6月19日当日の行動につき、a午前10時15分ころから午前11時7分まで東村山市議会建設水道委員会に出席し、続いて、午後零時過ぎまで総務委員会を傍聴し、その後、午後2時ころまで、原告矢野とともに、東村山市役所内の草の根市民クラブの議員控室において、次回の本会議における一般質問のための準備をしていた、b午後2時過ぎに原告矢野と食事をするため、二人で自転車で本件レストランに行く途中、本件支店に立ち寄り、東村山市民新聞の折込料を振り込んでおり、その際のキャッシュサービス取引明細書によると、振込時間は午後2時12分となっている、c午後2時30分前後に本件レストランに着き、二人とも当日のサービスランチを注文した、d本件レストランには、その後コーヒーを飲みながら1時間近くいて、代金は二人別々に支払った、e本件レシートの時刻の印字からすれば、店を出たのは午後3時21分ころだったと思うなどと供述した。
 そこで、白石警部は、上記明代の供述を録取した後、検察官に送致することを告げたところ、明代は、アリバイがあり、犯人でもないのに、検察庁へ送致するのはどういうことかなどと言って、署名押印を拒否して退去した。


〈アリバイ工作について〉

判決文33頁(再掲)
2 争点⑵(真実性)について
 証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。

判決文35頁~37頁(前項のつづき)
(オ)東村山書は、明代がアリバイを主張した7月4日以降、アリバイについて裏付け捜査を行ったところ、明代が供述したとおり、東村山市議会においては、6月19日午前10時28分から午前11時7分まで建設水道委員会、午前10時56分から午後零時1分まで総務委員会が開催されたこと、本件支店キャッシュサービスコーナーに備え付けられた監視カメラのビデオテープを再生したところ、同日午後2時9分19秒から午後2時12分57秒までの間の映像から、明代がキャッシュサービスの機械を利用していることがそれぞれ確認できた。
 しかし、本件レストランの店長らに事情聴取したところ、a本件レストランの店長は、6月30日の夜、年輩の女性から、電話で6月19日午後3時ころに店でランチとコーヒーを二人分注文しているので、レシートの写しを欲しい、と頼まれ、ランチの種類と座ったテーブルの位置について尋ねると、「たぶん日替わりランチです。」と曖昧に答えるとともに、座ったテーブルの位置については何も答えず、とにかくレシートの写しが欲しいと求められたこと、b同店長は、7月1日、札幌の本社あてに上記説明に該当するようなレシートの送付を依頼したところ、同日夜、本件レシートがファックスにより送信されてきたこと、c同店長は、同月2日の深夜、来店した男女4人連れのうち、年齢40歳から50歳位の女性に本件レシートを手渡したこと、d同店長が、札幌の本社から本件レシートに該当する伝票を取り寄せて確認したところ、該当の客が座った場所は17番テーブルで、同テーブルには、午後1時29分に日替わりランチが注文され、もう一人の客が同席した後、午後1時32分に日替わりランチの注文が取り消され、レギュラーランチ2個とコーヒー2杯が注文されていたこと、e該当の客を担当したのはアルバイトの女性店員であり、同店員は、17番テーブルに座った45歳から50歳位の女性から、まず日替わりランチの注文を受けたが、厨房に行くと品切れであることが分かったため、その旨を伝えにテーブルに戻ると、もう一人の同年輩の女性が座っていたので、日替わりランチの終了を告げるとともに、改めて注文を取り直し、レギュラーランチ2個とコーヒー2杯の注文を受けたと記憶していること、以上の事実が判明した。
 そして、本件レシートの記載、上記伝票及び本件レストランの店長からの事情聴取によれば、17番テーブルに座った客は、女性の二人連れである上に、6月19日午後1時29分ころから午後3時21分ころまでの間本件レストランにいたことになり、明代が、同日午後2時30分前後に原告矢野とともに本件レストランに入店し、午後3時21分ころまでいたなどと供述していることと一致せず、千葉は、本件レシートが明代のアリバイを裏付けるものではないと判断した。
(カ)千葉は、以上の捜査の結果、被害者である戸塚の目撃供述のほかに、3名の目撃者がおり、明代の主張するアリバイを裏付ける根拠もなく、これを信用することができないとして、明代を本件窃盗被疑事件の被疑者と認め、自らの判断で同事件を検察官に送致するよう指示し、署長の決済を得た上で、7月12日、本件窃盗被疑事件を東京地検八王子支部に送致した。


〈自殺について〉

判決文33頁(再掲)
2 争点⑵(真実性)について
 証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。

判決文38頁~41頁(前項のつづき)
イ 本件死亡事件の発生
(ア)東村山駅前交番勤務の巡査長は、平成7年9月1日午後10時42分ころ、本件ハンバーガー店のアルバイト店員から、「店のビルの裏にあるごみ置き場に女性が倒れている。」との通報を受けた。前記巡査長が、救急車の派遣を要請しながら、同店員とともに本件万ヒョンの北側外階段下にあるごみ置き場に赴くと、本件ハンバーガー店の店長がいて、その傍らに年齢50歳くらいの女性が倒れていた。前記女性は、午後10時56分ころ事件現場に到着した救急車により防衛医科大学病院へ搬送されたが、翌日の9月2日午前1時ころ死亡が確認された(本件死亡事件)。
(イ)千葉は、同日午前1時ころ、自宅で本件死亡事件の第一報を受け、直ちに本件現場に赴いて、警察犬や現場鑑識を要請し、検察官に連絡を取るなど、以後の捜査指揮に当たるとともに、東村山書において実施された死体の検案に立ち会うなどして、本件死亡事件につき、事件、事故の両方の観点から捜査を開始した。千葉は、その間の同日午前4時45分過ぎには、原告直子や原告矢野らの確認を得て、死亡者が明代であることを確認していた。
(ウ)千葉は、本件ハンバーガー店の店長や店員らから明代の発見状況等を聴取したところ、a9月1日午後10時ころ、本件ハンバーガー店の店員が一度ごみ置き場に行き、人が横になっているのを見かけたが、酔っ払いではないかと思い気にとめず、店に戻ったこと、b午後10時30分ころ、本件ハンバーガー店の店長が本件現場に行ったところ、血を流して倒れている明代を発見したこと、c同店長が、何度か「大丈夫ですか。」と声をかけたところ、明代はその都度「大丈夫。」と答えるとともに、店長が「落ちたのですか。」と尋ねたのに対し、左右に顔を何度も振りながら「違う。」とはっきり否定したほか、本件ハンバーガー店の店員が「救急車を呼びましょうか。」と申し出たのに対して、「いいです。」と答えたこと、d本件マンションの北側路面に設置されている鉄製フェンスが、明代を発見する前には異常がなかったのに対し、明代を発見した時点では大きく折れ曲がっていたこと等の事実が判明した。
(エ)千葉は、本件死亡事件について、以上の初動捜査を終了した9月2日午前7時ころ、検察官、検視に立ち会った医師、死体の状況、関係者の供述などを総合して検討した結果、事件性は薄いとの判断を下した。……
(オ)東村山署は、その後、引き続き捜査を遂げた結果、a事件発生前後に、現場付近で争うような声や物音などを聞いた者がなく、本件マンションの5階から6階に至る非常階段の壁に明代のものと思われる手指痕跡が発見され、他に争った痕跡がなく、落下現場の鉄製フェンスが上記手指痕跡の真下で折れ曲がっているなど、他人に突き落とされたとすると不自然であるという現場の状況、b明代が、「落ちたのですか。」という問いに「違う。」、「救急車を呼びましょうか。」という問いに「いいです。」と答えたこと、c明代に、墜落によるものと認められる創傷以外の防御創傷がないこと、d明代の死因が多発性肋骨骨折、肺損傷、左右腓骨骨折、左脛骨骨折等による出血性ショック死であり、執刀医の所見が「右側全身に認められる損傷は人力では不可能であり、墜落による損傷とみて矛盾がない。」というものであること、e明代の悲鳴及び墜落した音を聞いた本件マンションの住民が、その際に人が争う等の気配は全くなかったと供述していること等の捜査結果に基づき、他人が介在する状況にはなく、犯罪性がないと判断するに至った。そこで、東村山署長は、平成7年12月22日、「他人が介在した状況はなく、犯罪性はないと認定した。」という意見を付して、被疑者不詳の殺人事件として、東京地検八王子支部検察官に送致し、その旨の発表を行った。

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